米脱炭素化で高まるソーラーの貢献。拡大する電化で、電力需要の45%を供給

掲載期間:2022-01-18 記事ソース:

電力部門のクリーンエネルギー化が近年加速しているが、電力のみならず、建物、運輸、そして産業分野と全てのエネルギーシステムで脱炭素化に移行するために、ソーラーの役割がさらに拡大すると予測されている。


米全エネルギー部門の
脱炭素化目指す


世界が温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」に向けて動き出している。米国も例外でなく、バイデン政権は、2035年までに米国の電力網を脱炭素化し、さらに長期ゴールとして、2050年までに電力部門だけでなく、米国の経済全体における温室効果ガスの排出をゼロにするという目標を設定した。



米国自宅太陽光発電システム、グレースソーラー提供


今年9月には、米国エネルギー省(USDOE)が、米国の脱炭素化におけるソーラーの役割を分析調査した「ソーラーの未来像研究(Solar Futures Study)」と題したレポートを発表した。この調査は、バイデン政権の目標である「2035年までに電力網を脱炭素化する」というビジョンを中心に構成されている。さらに、建物(住宅と商業施設)、運輸、および産業部門でのエネルギー需要の電化により、2050年までに、米国エネルギーシステムにおけるソーラーの貢献度も分析されている。


ちなみに、ここでいう「ソーラー」は、主に太陽光発電のことを指すが、集光型太陽熱発電(CSP)も含まれていれる。2020年末時点で、米国内で導入されたソーラーは累積約80GW(連系出力)だが、これは米国総電力需要の約3%に匹敵する。レポートによると、ソーラーの電力需要に占める貢献度は、2035年までに40%、さらに2050年までに45%に拡大すると予測されている。2050年の45%という数字は、累積連系出力約1600GWに匹敵する。


レポートでは、3つのシナリオに基づいてソーラーの導入量が分析されている。